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‘BAD BOYS’ の “GROWN UPS” (“サタデーナイトライブ”ファンに捧ぐ その3) [映画]

“アダルトボーイズ青春白書”という、センスの欠片もない邦題を付けられた、アダム・サンドラーの2010年作品、“GROWN UPS”。
映画としては、大して盛り上がりもなく、ただスケッチ(コント)を積み重ねただけのような作品にもかかわらず、全米では興収1億6千万ドルを超える大ヒットになった。
・・・けど、コメディー作品では珍しくない、本邦劇場未公開だった。

恐らく、本国で劇場鑑賞した人の半数以上はアダム・サンドラー(1966年生まれ)と同世代だったに違いない。
そして、多分だけど、その内の更に半数近くは彼が“Saturday Night Live(SNL)”にレギュラー出演していた時の番組のファンだったんじゃないかな。もしかしたら半数以上かも。

とにかく、“SNL”のファン、特に90年代前半の頃のファンにとっては、この映画は最高に楽しめる作品だ。
出演者の顔ぶれがすごい。

A・サンドラーを筆頭に、クリス・ロック、デヴィッド・スペード、ロブ・シュナイダーの主要メンバーはみんな同期(90年からスタートした第16シーズンから登場)だし、主要メンバー以外にも、ラスト近くのバスケットボールの試合でC・ロック(カート)と罵り合う黒人のハゲ選手(マルコム)役に同じく同期のティム・メドウスがいる(因みに、サンドラー、ロック、スペード、シュナイダーの四人は、のちに“SNL”の‘BAD BOYS’と呼ばれ、彼らをフィーチャーしたベストスケッチ集が“SNL”の枠で放送され、その番組はビデオ発売もされた参照)。

更には、バスケの再戦を迫ったディッキー役に、第21シーズンからサブレギュラーメンバーになったコリン・クイン。
カートの妻のディアンヌ役には、第25シーズンの最後の方に初登場したマヤ・ルドルフ(映画では妊婦役だった彼女、“SNL”では33シーズンの途中で実際に出産するので番組を降りたんじゃなかったかな?)。
完全なカメオとして、ウォータースライダーで帽子を被って滑り、海パンがずり上がって‘半ケツ’を見せていた‘変なおっさん’役に、サンドラーとは仲が良く、第19シーズンから登場して23シーズンの途中でNBC西海岸の社長から辞めさせられた、でもダヨーンが大好きなノーム・マクドナルド(彼は番組出演時代からサンドラーのことが大好きそうだった)。
この映画の脚本家としてサンドラーと共に名を連ねているフレッド・ウルフは、91年~97年、まさにサンドラーやN・マクドナルド時代の“SNL”にライター(作家)として参加していたし、第21シーズン(95年スタート)からの1シーズンちょっとはサブレギュラーメンバーでもあったよ。
F・ウルフのようにライターから出演者になったメンバーは珍しくなく、ライターからヘッドライターに昇進し、その後、ヘッドライターを兼ねつつレギュラーメンバーにも名を連ね、“SNL”卒業後、いまやコメディエンヌとして大活躍しているのがティナ・フェイだ。

“SNL”とは直接関係のないキャストでも、仲良しクインテット(五人組)の一人、エリック役はサンドラーとしばしば共演しているケヴィン・ジェームスだし、ウォーターパークの場面でいきなり登場してビックリさせてくれた、ウィリー役のスティーヴ・ブシェミもサンドラーとは親友だ。

相変わらずというか、これまでもしばしばサンドラーの作品に登場した、実の奥さんのジャッキー・サンドラー、実の娘たち、サディーとサニーも出演し、もうアダム君のやりたい放題といった感じ。

個人的に彼の“SNL”時代からの大ファンなので、彼のやることには一切反対も非難もしないけど、それにしても、ここまで‘サンドラーファミリー’で固めるのなら、これまでも彼の作品にしばしば脇役やカメオで出演してきた、“SNL”レギュラーとしては先輩でサンドラーと仲がいいはずのケヴィン・ニーロンも出演させてほしかったよ(続編、“GROWN UPS 2”にもニーロンは出演していないが、サンドラーのその次の作品で全米で2014年5月23日公開予定の“BLENDED”には出演するようだ)。

そして・・・
今はサンドラーはK・ジェームスと仲がいいので、どうなっていたかはわからないけど・・・
もしもクリスが、
あの愛すべきキャラクターだったクリス・ファーレイが、
97年の12月にシカゴで亡くなった彼が・・・
頑張って減量をしていて、酒も控え、ドラッグや抗うつ剤に頼らない生活をして、元気に今でも活躍していれば・・・
やはり“SNL”で‘BAD BOYS’たちと同期だった彼が、K・ジェームスの代わりにエリック役を演じていたんじゃないかな・・・
と、ほんのわずかな寂しさを、ダヨーンは感じているんだ。

全米では、続編の“GROWN UPS 2”は7月12日から公開され、一週目の週末興行成績は“怪盗グルーのミニオン危機一発(DESPICABLE ME 2)”に次ぐ二位で、恐らくトータルの興収でも一作目には及ばなさそうだけど、それでも1億ドル突破は間違いなさそう。
日本では出演作があまり劇場公開されなくて、本国でもめっきりヒット作が少なくなってきたサンドラーだけど、大ヒットした三年前のこの一作目に続き、実は彼自身初めての‘パート2’作品である“GROWN UPS 2”の今回のヒットをきっかけに、今後、見事な復活を果たしてほしいと、心から願ってるよ。

ところで、この続編にはR・シュナイダーが出演していない。
なぜ出演していないのか、物語はどういう設定なのか、気になるところだな。
続編にも、一作目にも増して“SNL”メンバーが多数出演してるけど、長くなり過ぎるので、それらの解説はさすがに割愛しときます。

最後に映画の中身について書いておくと・・・
はじめに書いたように、ただスケッチを重ねただけでストーリーとしての大きな山場がない作品ではあるけど、クライマックスのバスケの試合のラスト、レニー(A・サンドラー)がブロックショットを打つ直前にディッキーの奥さんの方を見てからシュートを放って・・・
というくだり(一連のスローモーション)は、改めて観ると、なぜだか目頭が熱くなってしまった。

『なるほど。“GROWN UP(S)”ねェ・・・』

と、まさにそんな印象を受けたのだった。

そう。
“SNL”ファンのみなさん、‘BAD BOYS’は見事に‘GROWN UP’したんだね。





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