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その9: デビッド・リンチ作品の謎の捉え方 [映画]

前回の続き


“TWIN PEAKS(ツイン・ピークス)”という作品が好きな人たちからすれば、“Twin Peaks: Fire Walk with Me(邦題:“ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間”)” の制作時に撮影したフィルムはなるべく無駄にしないで、二時間半くらいの劇場用作品を二本、公開して欲しかったに違いない。

でも、日本ではよく見られる、‘二本の作品を一ヶ月ほどずらして前後編での連続上映’ みたいなスタイルは、アメリカ人はあまり好まない。
それでなくても、ドラマのファンくらいしか劇場には足を運ばないであろうことは、制作会社も配給会社も容易に推測できただろうから(つまり、大ヒットが望めないことは公開前から想像できたから)、二時間半の映画二本を連続上映しても採算など合うはずはなく、現実問題としては到底無理だった。

では、全七話くらいの連続ドラマとしてのテレビ放映ならどうだったかな。
その場合、これは90年代の作品だから、当時のブラウン管サイズである、横縦比4:3のスタンダードサイズになって放送されていたけど。
それでも観たかったよ。
実際、“Twin Peaks: The Missing Pieces” を観ただけでも、“Fire Walk with Me(ローラ・パーマー最期の7日間)” から、それこそ失われたピースをはめ込む感じがしたから。

・・・と、そこでハッと思った[ひらめき]

『デビッド・リンチ監督の作品の、謎や意味不明な部分を解き明かすヒントというのは、作品のカットされた部分、日の目を見ることのない部分にこそ隠されているのかも[exclamation&question]

・・・ってね。
仮に必要に迫られて、やや具体的で説明的なシーンを撮影していても、曖昧さやabstract(つまり、抽象的)な印象を観客に、‘あえて’ 感じさせるために、そんなシーンは正式発表版では落としているような気がする。

「カットされた部分に謎のヒントが隠されてるんだったら、意味不明でも仕方ないじゃん」

なんて、でもそんなことは言わないで、各人がそれぞれ好きなように解釈すればいいんでしょう。
九回に分けて書いてきて、そういう結論を今日やっと導き出せたよ。

案外・・・
個人的な考えだけど・・・
デビッド・リンチ監督って純粋な人だろうから・・・
彼のすべての作品のストーリーの・・・
すべてのシーン、すべてのカット、すべての演出は・・・
実は・・・

観たそのままの内容、現象、芝居で、それ以上でもそれ以下でもないと思うよ。


おしまい[手(パー)]



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