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Master Lucas Hasn't Been Here Anymore. [映画]

前回の続き

‘エイリアン’ という名作を劇場封切り時に観られた幸せというのは、映画ファンにとっては何物にも変えがたいと思ってる。
だって、映画館でこの作品を観た者以外、誰も‘ALIEN’ というのが何者(何物?)で、どんな姿かたちか知り得ないという状況の中、その映画を観るんだから。
あとに続く、‘E.T.’ や、‘グレムリン’(&ギズモ) や、‘プレデター’ も、世間にその姿が公表されていない中で観るんですよ(‘プレデター’ に関して言えば、内容も良く知らなかったから、『変わった戦争映画か?』と思っていた中でのあの展開で、一層驚いた)。
こんな、‘ワクワク’ は他にはないでしょう?


それと同様で、改めて、

『‘帝国の逆襲’ を劇場初公開時に観ることができた人たちは、映画史上に残る衝撃の真実を知らされるという経験をさせてもらえていたんだな』

って感じた。
ダース・ベイダーを演じたデビッド・プラウズ(声をアテたジェームズ・アール・ジョーンズではなくて)だって撮影現場では、ルークの、

「(オビ-ワンは)お前が父を殺したんだと言っていた」

に対して、

「違う。オビ-ワンがお前の父を殺したのだ」

と言わされていたらしい。
だから、完成作を観たプラウズは、

「セリフ、変わってまんがなーッ!」

ってビックリして、ルーカスに、

「オレにも真実を先に教えてくれてたら、“そういう風に” 演技したのにィ」

と訴えたとか(マーク・ハミルには撮影直前に最高機密のセリフを知らされた)。
結果、

「I am your father.」

は映画史に残る名セリフになり、今にして思えば翌年(81年)の、‘レイダース’ も踏まえて、あの頃が、‘映画人ルーカス’ の絶頂期だったんだな。

ところが、90年代後半になり、

「やっと創りたい映像が技術的に可能になった」

と、‘ファントム・メナス’ を二十二年振りに自らメガホンを取った時にはもう、‘アメリカン・グラフィティ’ の監督はいなかった。
‘タイタニック’ が空前の大ヒットを記録した結果を受けて、‘クローンの攻撃’ 制作時には、

『女性客も呼べるようにロマンスの要素も絡めよう』

と考えているという記事を目にした時、

『ダメだ、おっさん・・・』

って思ったよ。
それはまるで、晩年の黒澤明・大先生が、‘まあだだよ’ の撮影時に所ジョージさんの芝居を見て、

「う~ん、うまい!」

と言ったとか言わなかったとか、っていうのを聞いた時のことを思い出した。
まさに、

『師もまた耄碌したのか・・・』


カリフォルニアはアナハイムのディズニーランドに87年に、‘Star Tours’ が完成した時はまだ気づかなかったけど、95年に、‘Indiana Jones[トレードマーク] Adventure’ がオープンした時には流石に、

『爺はマイケル・アイズナーに迎合してるのかなぁ』

って思ってた。


‘シスの復讐’ を撮り終えた後、師・・・ではなく、爺も映画創りへの情熱を失っていただろうが、現在のThe Walt Disney CompanyのCEOのボブ・アイガーにもうまく言いくるめられたのか、Lucasfilm Ltd.も売却してしまい、多くのファンを失望させてしまった(もしかするとキャスリーン・ケネディも一枚噛んでいたのかもしれない)。
スタジオで働くスタッフの中にも、

『Oh, no! Master!!』

と嘆いた人がいたかもね(一方でD帝国に属するということで喜んだスタッフもいただろうけど)。
悲しいかな、映画屋は、やり手のビジネスマンにはなれないし、戦っても勝てないのだ。

‘最後のジェダイ’ を観た人の中には、

『ルーカスに撮り直してほしい』

と思っている人もいるみたいだけど、今の爺には物理的以前にcreativityな面で何もできないし、もはやできる術もないよ。
結果として、シリーズは旧三部作で終わっていた方が良かった。
そうすれば、‘名作シリーズ’ のまま終われたんだから(新三部作なんておまけでしかないし、新新三部作などは言及するのもはばかられる)。

最後に、ケネディ女史がジョンソン監督に一連の九部作とは別の設定で新たな三部作を創らせようとしているが、これ以上、‘STAR WARS’ の名を汚そうものなら、現実世界で反乱軍が現れるかもしれないよ。










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