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その6: ‘世界で一番美しい死体’ はなぜ ‘美しい’ のか [映画]

★★★今回の記事は、映画、“ローラ・パーマー最期の7日間” のネタばれを含みますので、まだ映画を観ていないけど将来的に観ようと思っている人は読まない方がいいですよ★★★


92年公開の、“Twin Peaks: Fire Walk with Me(邦題:“ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間”)” は、デビッド・リンチ監督からドラマのファンへの粋なプレゼントだったように思う。
確かに、この劇場用作品に対してはドラマのファンであっても、

『無駄ーッ』

だとか、

『無意味ーッ』

とか、

『無益ーッ』

や、

『蛇足ーッ』

に、はたまた、

『駄作ーッ』

というような声も散見される。
ドラマが好きでなかった者なら全員が、

『金返せーッ!』

と言ったかもしれないけど、好きでなかった者は、付き合わされたとかでない限りは劇場にも足を運んでいないだろう。
でも、ドラマに心酔していた人たちのほとんどは、そこそこ満足できたと思うんだけど。

とにかく、個人的に感じたことは・・・[どんっ(衝撃)][映画]
                       [どんっ(衝撃)][カチンコ]
                         [どんっ(衝撃)][映画]
                           [どんっ(衝撃)][カチンコ]
                             [どんっ(衝撃)](←FIRE)

学園のクイーンのローラ・パーマーは、Double R Diner(ダブル・R・ダイナー)でアルバイトをしたり、オードリー・ホーンの兄、ジョニー(知的障害がある)に勉強を教えたりと、表面的には真面目で清楚な印象を街の人たちに与えていたが、実際は、清純とは正反対のどうしようもない(詳しいことは割愛)女子高生だった。

そんなローラが、自業自得とはいえロネット・プラスキーと共に襲われて、恐怖に駆られ断末魔の叫びをあげながら、観ているこちらが怖くなるくらいの鬼の形相をさらすのだ。
とてもじゃないが、あのままでは、‘世界で一番美しい死体’ になどなり得ない。
そういうことを考えると、リンチ監督はこの映画で、“ローラ・パーマー最期の7日間” よりも、寧ろ、‘あの表情の謎’ を明かしたかったんじゃないかな・・・とまで想像してしまう。

殺害されたあと、発見された時のあのビニールシートにくるまれたローラ。
一転、彼女は、‘あの’ 赤い部屋でソファにかけていて、傍らには彼女の背後に手を回しているデイル・クーパー捜査官が立っていた。
二人は見つめ合うが、やがて彼女たちの目の前に天使が現れる。
穏やかな表情で、また涙を流しながら、さらには大きな口を開けて笑いながら天使を眺めているローラの姿を見た時、

『もう何にも苦しまなくても、悩まなくてもいいんだな』

と思えて、オレはこのprequel・・・つまり、最近よく使われるところの、‘前日譚’ が創られて良かったって思った。

『・・・そして彼女は、‘世界で一番美しい死体’ になったんだな』・・・

もちろん、殺害される時点では、ローラはクーパー捜査官のことを知らないんだけど。

本作にはアニー・ブラックバーン(ヘザー・グラハム)がチラッとだけ登場しているし(なんでローラのベッドでローラの隣に、しかも血まみれで横たわってるねんッ!)、ローラの日記を持っていたハロルド・スミスだってしっかり登場している。
ドナ・ヘイワード役がララ・フリン・ボイルからモイラ・ケリーに変わってしまったということはあるにせよ、‘お転婆ローラの帰らざる青春’ も見せてくれたし、やはり、“Twin Peaks: Fire Walk with Me” は創られるべき作品だったんだな。

ところで、‘アニーがローラのベッドで横たわって’ って書いたけど、さあ、ここですがな。
はたして、ローラはアニーのことを知っていたのだろうか?


またまた、またまた、また次回につづく
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