SSブログ

“ロッキー” [映画]

“ロッキー”という映画が第49回(1976年度)のアカデミー賞で作品賞と監督賞(ジョン・G・アビルドセン)を獲ったのを知ってる人はどれくらいいるかな?
今では信じられない人もいるだろうけど、シルベスター・スタローンは主演男優賞にもノミネートされていたし、彼自身が書いた脚本は脚本賞にノミネートされていた。
作品賞を獲った作品だけに、脚本賞のノミネートは全く驚くべきことではないけど。
演技部門でいうと、ミッキー役の、今は亡きバージェス・メレディスと、エイドリアンの兄のポーリー役のバート・ヤングが助演男優賞に、エイドリアン役のタリア・シャイアは主演女優賞に、それぞれノミネートされていたけど、スライ(スタローンのニックネーム)を含め誰も賞を獲得できなかった。
個人的には四人とも獲って欲しかったな。
でも、この年は“ネットワーク”という映画も強くて、主演男優(ピーター・フィンチ)、主演女優(フェイ・ダナウェイ)、助演女優(ビアトリス・ストレイト)と、演技部門は三部門この作品がさらっていったんだった(助演男優賞は“大統領の陰謀”のジェイソン・ロバーズ)。
主演男優賞には“タクシー・ドライバー”のロバート・デ・ニーロ親分もノミネートされていたから、なかなかの激戦の年だったんだね。

いやしかし、それにしても千載一遇のチャンスといえた、主演男優&脚本のスライ兄貴には獲って欲しかった。
もう二度と、そんな機会に恵まれることはないだろうからね。
彼はプレゼンターとしては何度も授賞式には参加してるけど(第何回だったか、舞台の上でモハメッド・アリとボクシングのファイティングポーズをとったね、既にアリはパーキンソン病にかかっていたけど)。

・・・と、今日も毎度のことながら前フリが長くなりました。
今日書きたいことは、“ロッキー”のあのクライマックス、第14ラウンドが始まるあたりからラストシーンにかけては秀逸の一語に尽きますね・・・ということなんだな。
なんだか、このあたり、“あしたのジョー”の白木葉子とエイドリアンが重なって見えるけど。

いつでも帽子を手放せないでいたシャイなシャイア・・・じゃなくて、シャイア演じるシャイなエイドリアン。
見事に15ラウンドを戦いきったロッキーの立っているリングに向かって、総立ちの観客たちをかき分けながら駆け寄っていきます。
「ロッキー!ロッキー!」と叫びながら。
アナウンサーが判定の結果をアナウンスしていても、そんなことはどうでもいいロッキーは、ひたすら、
「エイドリア~ン!エイドリア~ン!」
と叫んでいる。
エイドリアンは、途中で可愛らしい赤い帽子が脱げてしまっても、構わずリングに向かい、上り、中に入ってきます。
ロッキーに駆け寄る彼女が帽子をかぶっていない事にすぐ気がつくロッキー。
「帽子は?」
と尋ねるロッキーに、エイドリアンは、
「I Love You!」
と答え、ロッキーも、
「I Love You」
と返す・・・。

思い出すだけでも涙がこみ上げてくるシーンだな。
もちろん、ビル・コンティさんの作曲したあの名曲抜きにこのシーンは語れない(ここで流れるのは、あの有名なメインテーマではない)。
大事な帽子・・・だけど、それよりも大事なロッキー、ですよ。

ところで、“ロッキー”シリーズは、“ロッキー・ザ・ファイナル”を除き、前作のラストが次作の始まりになってます。

個人的には“ロッキーⅡ”のメインテーマも大好きだ。
“Ⅰ”のラストから始まる“Ⅱ”、その後ロッキーとアポロが病院に運ばれている間に流れる“Ⅱ”のメインテーマは格好いいね。
映画のラスト、試合が終わってロッキーがミッキーと抱き合うシーンでも、またこのメインテーマが流れ出すけど、ラストシーン直後の興奮から、なんともいえぬ余韻へと転換させる、B・コンティの見事さには恐れ入りました。
そしてそして・・・

前回同様、“Ⅱ”のクライマックスシーンから“Ⅲ”は始まるけど、“Ⅱ”のラストシーンからいきなり花火の打ち上がるシーンに変わり、そこで流れるサバイバーの名曲“アイ・オブ・ザ・タイガー”(第55回のアカデミー賞でオリジナルソング賞にノミネートされた)と、そのモンタージュシーンは、この作品の監督でもあるスライの盛り上げ方に甚だ感服させられたな(‘モンタージュ’の意味は辞書で調べてください)。
ロッキーは防衛を重ねるごとにスターダムに上っていき、その一方でハングリーの塊みたいなクラバー・ラング(演じるのはご存知ミスター・T)はひたすらトレーニングしまくり、ボロ勝ちしまくり、ランキングを上げてくるという・・・。
“アイ・オブ・ザ・タイガー”一曲、4分足らずで二人の状況を見事に描き切っていたね。
映画自体も全体的に見所満載の出来栄えだったけど、クライマックスのロッキーとクラバーの再戦が案外あっさりしてたことが、少々物足りなかったな。

最後に。
“ロッキー・ザ・ファイナル”で、‘試合はラスベガスでやるぞ~’ってことになり、会場としてマンダレイ・ベイ・ホテルのマンダレイ・イベント・センターが設定された。
実は、ダヨーンはこれをラスベガスの映画館で観てたんだな。
『お、試合するの、すぐそこじゃん』
って思ったよ。

ということで、それが東京だろうが大阪だろうが、映画の中に自分の知っている景色や、馴染みの深い風景が出てくるのはとても嬉しいし、それも映画を観る醍醐味の一つと言えるよね~。

“ロッキーⅣ”についても語りたいことはあるけど、それはまた別の機会ということにしておきましょう。

 

ロッキー (特別編) (ベストヒット・セレクション)

ロッキー (特別編) (ベストヒット・セレクション)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: DVD
ロッキー2 (ベストヒット・セレクション)

ロッキー2 (ベストヒット・セレクション)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: DVD
ロッキー3 (ベストヒット・セレクション)

ロッキー3 (ベストヒット・セレクション)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: DVD
ロッキー・ザ・ファイナル (特別編)

ロッキー・ザ・ファイナル (特別編)

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2007/10/05
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント